生態の多くが謎に包まれ「幻のモグラ」と呼ばれる日本固有種ミズラモグラが、世界自然遺産の白神山地で初めて確認されたことが弘前大学の研究チームにより判明しました。青森県内の生息域は八甲田山系や岩木山の一部に限られると考えられていましたが、今回の発見によって分布図が塗り替えられる可能性が高まっています。
注目される理由は、青森・秋田両県にまたがる白神山地全域に生息している可能性が浮上したためです。本州の高山帯などに低密度で生息する希少種で、県内でも過去約20例しか記録がありませんでした。手つかずの自然が残る世界遺産に個体群が存在すれば、生態解明や環境保護の面で極めて重要な足がかりとなります。
具体的には、2019年6月に青森県西目屋村の世界遺産区域内散策道で、体長約9センチの死骸を世界遺産センターの研究員が発見。昨年、別の研究者の指摘を受けて詳しく調べた結果、下顎の歯並びの特徴からミズラモグラと特定されました。地道な精査を経て、白神山地に生息する決定的な物証が得られた形です。
白神山地での初確認は、豊かなブナの原生林が今なお未知の命を育んでいる証拠といえます。今後は秋田県側を含めた広範囲での調査が進むとみられ、幻のモグラの実態解明と世界遺産の生物多様性保全に大きな期待が寄せられています。
ネット上の声5選
- 白神山地の豊かな原生林に幻のモグラがひっそり暮らしていたと思うとロマンを感じる。
- 散策道で見つかった死骸の歯並びから種を突き止めた研究員たちの地道な観察眼が素晴らしい。
- 八甲田や岩木山だけでなく白神山地全体にいるかもしれないなら、今後の本格的な調査が楽しみ。
- 青森でも過去20例ほどしか記録がない希少種だけに、貴重な自然環境をしっかり守ってほしい。
- 秋田県側も含めてどれくらい生息しているのか、世界遺産の生態系の奥深さに驚かされた。
(※引用ではなく、Web上で目立った論調・感想をまとめたものです)
ミズラモグラ の豆知識5選
- ミズラモグラは本州の青森県から広島県にかけての山地に生息する日本固有種です。生息密度が極めて低く人前に姿を現すことが滅多にないため「幻のモグラ」と呼ばれています。環境省レッドリストでは絶滅の危険性が増大している「準絶滅危惧」に指定されています。
- 一般的なアズマモグラなどと比べて小型で、頭胴長は約8センチ、体重は約30グラムしかありません。他のモグラに比べて尾が2センチ以上と長く、下顎の歯が1対多いため全体で44本の歯を持つ点が、今回の発見でも決め手となった骨格上の大きな特徴です。
- 地下の巣内に専用のトイレスペースを作る習性があり、その排泄場所から「ナガエノスギタケ」というキノコが発生することで知られます。キノコが糞尿を分解して巣を清潔に保つ共生関係が成立しており、地上に生えたキノコが巣穴を見つける目印にもなります。
- ブナなどの落葉広葉樹林の地中に坑道を掘り、土壌にすむミミズや昆虫の幼虫、ジムカデなどを主食としています。基礎代謝が高くエネルギー消費が激しいため、絶えず採餌する必要があり、環境の変化に非常に敏感で飼育や観察が難しいことでも知られています。
- 明治初期に英国人研究者によって標本が大英自然史博物館に送られ、新種記載された歴史を持ちます。アジアの一般的なモグラとは異なる原始的な形態を残しており、近年では「山の穴掘り屋さん」を意味する独自のオレオスカプター属に再分類されています。



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