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【】次期「iPhone」ではデュアルSIMデュアルスタンバイに対応したモデルも用意される?? | 気になる、記になる… 他 (2016/12/13) #applejp

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土曜日(12月10日)、スウェーデン・ストックホルムでノーベル賞授賞式が開かれ、文学賞を受賞したが欠席したボブ・ディランのスピーチが、在スウェーデン米国大使Azita Raji氏により代読された。

   ◆   ◆   ◆

こんばんは、みなさん。スウェーデン・アカデミーの会員の方々、そして今夜出席していらっしゃる賓客のみなさまへ心からご挨拶申し上げます。

みなさまとご一緒できず申し訳ありません。しかしどうか、私の気持ちは間違いなくそこにあり、このような名誉ある賞をいただき私が光栄に思っていることを知ってください。ノーベル文学賞を受賞するなんて、想像も予測もしていませんでした。私は幼い頃から、キップリング、ショー、トーマス・マン、パール・バック、アルベール・カミュ、ヘミングウェイなど、この栄誉に相応しいと考えられた人々の作品に慣れ親しみ、読み、吸収してきました。その作品が学校で教えられ、世界中の図書館に収納され、敬意を持って語られる、これら文学の巨匠たちにはいつだって深い感銘を受けていました。いま、私がそのリストに加わるとは、本当に言葉がありません。

彼らや彼女たちがノーベル賞について考えたことがあるのか、私は知りません。しかし、本または詩や戯曲を書く人たちは世界中誰であれ、心の底ではそのような密かな夢を抱いているのかもしれません。多分、自分でも気づいていないほど深いところに埋められているのでしょう。

もし誰かが、私にわずかながらノーベル賞を受賞するチャンスがあると言ったなら、私は月に行くのと同じくらいの可能性しかないと考えねばならなかったでしょう。実際、私が生まれた年およびその後数年は、このノーベル賞に値すると考えられている人は世界中どこにもいませんでした。ですから、控えめに言っても、私は希少なグループの一員になったのだと認識しております。

この驚きの知らせを受けたとき、私はツアー中で、それを呑み込むのに数分以上かかりました。そして、偉大な著述家、ウィリアム・シェイクスピアのことを考え始めました。私は、彼は自身のことを劇作家だと考えていたと思います。文学を執筆しているという思いは彼の頭の中になかったでしょう。彼の言葉はステージために書かれたものです。読まれるのではなく話されるためのものでした。ハムレットを書いているとき、彼は多くの別のことを考えていたと思います。“これらの役に相応しい俳優は?”とか“どう演出すべきか?”“本当にデンマークを舞台にしたいのか?”などといったことです。彼が、自分のクリエイティブ・ヴィジョンや大志を第一に考えていたのは間違いないでしょうが、“資金は大丈夫なのか?”“パトロンに十分いい席を用意できるのか?”“骸骨はどこで手に入れたらいい?”など、考えなくてはならない、対処しなくてはならない、より俗世的な事柄もあったでしょう。“これは文学なのか?”という質問は、シェイクスピアの中では最も縁遠いものだったと私は確信しています。

私がティーンエイジャーで曲を書き始めたとき、自分の技量が知られるようになったときでさえ、曲に対しての私の望みはこんなものでした。コーヒー・ハウスやバーでかかるようになるかもしれない、もしかしたらカーネギーホールやロンドン・パラディアムのような場所でもあるかもしれないと思っていました。大きな夢をみるとしても、想像できるのはレコードを作る、ラジオで流れる程度のことでした。自分の中では、それが本当に大きなプライズでした。レコードを作ったり、ラジオで流れるというのは、そこには多くのオーディエンスがいて、自分が始めたことをやり続けられる可能性があることを意味していました。

そうして、私は自分が目指したことを長い間やり続けてきました。たくさんのレコードを作り、世界中でたくさんのコンサートを開きました。しかし、私がやることほとんど全ての中枢にあるのは、曲です。私の曲は多くの異なる文化を通じ、たくさんの人々の人生の中に入り込んだように見えます。私はそれを嬉しく思っています。

しかしながら、このことは言わなくてはなりません。パフォーマーとして私は5万人を前にプレイしたことも50人を前にプレイしたこともあります。そして、50人を前にプレイするほうが難しいのです。5万人は1つのペルソナとなりますが、50人はそうではありません。1人1人が、それぞれ別の違ったアイディンティティ、言葉を持ちます。彼らは物事をより明確に見抜くことができるのです。あなたの誠実さ、それが才能の深さとどう結びつくのか、試されるのです。ノーベル委員会は小さい、これが意味することを私は理解しております。

しかし、シェイクスピアと同じように、私も創作に最善を尽くすと同時に、“この曲に最適なミュージシャンは?”“相応しいスタジオでレコーディングしているのか?”“この曲はこのキーでいいのか”などと俗事に追われることが多々あります。400年経っても変わらないことはあるのです。

“私の曲は文学なのか?”と、自分に問いかける時間を持ったことはありませんでした。

ですから、この質問を考察する時間を持ち、最終的に、こんな素晴らしい答えを見出してくれたスウェーデン・アカデミーに感謝します。

みなさまのご多幸をお祈りします。

ボブ・ディラン




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