1979年に富野由悠季監督自らが執筆した『機動戦士ガンダム』の小説版が、2025年に再び注目を集め、重版が決定されました。この再評価の背景には、シリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の影響が大きく関与しています。
小説版『ガンダム』の独自性と再評価の背景
小説版『機動戦士ガンダム』は、当初第1巻のみの予定でしたが、アニメの人気を受けて全3巻構成となりました。この小説は、アニメとは異なる展開や設定が特徴で、例えば、主人公アムロ・レイが軍人として描かれ、アムロとセイラ・マスの恋愛模様やシャアの活躍も異なる形で描かれています。特に、テレビアニメ第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」にのみ登場するキャラクター、シャリア・ブルが小説版では異なる活躍を見せており、SNS上で「緑のおじさん」として人気を博しています。

『GQuuuuuuX』の登場とその影響
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は、サンライズとスタジオカラーが初めてタッグを組んだ作品で、鶴巻和哉氏が監督を務め、榎戸洋司氏がシリーズ構成、山下いくと氏がメカニカルデザインを担当しています。物語は、宇宙コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハ(マチュ)が、戦争難民の少女ニャアンと出会い、非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に巻き込まれるというストーリーです。この作品では、宇宙世紀を舞台に、シャア・アズナブルやシャリア・ブルといったファーストガンダムのキャラクターも登場し、ファンの間で話題となっています。

『GQuuuuuuX』の新機体とデザインの革新
『GQuuuuuuX』では、主人公機GQuuuuuuXが登場し、山下いくと氏がデザインを手掛けています。この機体は、従来のガンダムとは異なり、くびれた腰や独特の足首など、人間らしい動きを意識したデザインが特徴です。また、軽キャノン(RGM-79 軽キャノン)という新たなモビルスーツも登場し、ガンダムの開発データとガンキャノンの砲撃戦能力を組み合わせた構成となっています。これらの新機体は、ファンの間で大きな話題となり、関連するプラモデルの予約が瞬く間に埋まるなど、高い人気を誇っています。

若年層への影響と小説版への関心の高まり
『GQuuuuuuX』の放送により、これまでファーストガンダムを知らなかった若年層が、テレビアニメシリーズや劇場版3部作を視聴するようになり、小説版にも関心を持つようになっています。特に、アニメとは異なる展開やキャラクターの描写が新鮮に映り、再評価の動きが広がっています。富野由悠季氏が手掛けた他の小説作品、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』や『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』なども、アニメとは異なる展開が描かれており、これらの作品にも注目が集まっています。
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