Netflixはこのほど、生成AI(GenAI)を用いた映像制作に関する明確なガイドラインを、パートナー向けヘルプセンターに公開しました。背景には、実際のドキュメンタリー『What Jennifer Did』にAI生成画像が無断使用され、視聴者の信頼を損ねる結果となった反省があります。
このガイドラインでは、まず制作チームは「AI活用をNetflix担当者に共有すること」が求められ、著名人の肖像や個人データ、第三者の著作物が生成物に含まれる場合には“書面による承認”が必須とされています。
さらに、5つの基本原則が明記されました:
- 著作権保護されている他人の特徴や作品を再現してはならない。
- 入力データや生成物から再学習・再利用しない。
- エンタープライズセキュアな環境で利用を行うこと。
- 生成素材は一時的に利用され、最終成果物には含めないこと。
- 承認なくタレントの演技や労働をAIで代替しない。
Netflix自身は、アルゼンチン発SFドラマ『El Eternaut』(The Eternaut)にて、AIによる建物崩壊のVFXを本編に初使用。これにより「10倍の速さ」と「コスト削減」を実現し、AIが“人間のクリエイターを支える創造ツール”であることを示しました。
このガイドラインは、クリエイティブな革新を促進しつつも、視聴者との信頼、タレントの権利、法的リスク、さらには業界倫理を守るための枠組みとして、今後業界標準となる可能性を秘めています。
Netflixの歴史
Netflixは元々、DVD郵送レンタルサービスとして1997年に創業。2007年にインターネットを介した映像ストリーミングサービスを開始し、従来のテレビや映画の観賞スタイルに革命をもたらしました。
オリジナル制作への進出は2011年、政治ドラマ『House of Cards』をはじめ、犯罪ドラマ『Orange Is the New Black』などを次々に手がけ、2013年に「Netflix Original」の名で配信を本格化しました。
近年では、DVDレンタル事業を2023年に完全終了。グローバル展開を進め、各国で制作拠点や投資を行い、アニメや特映演出を含む多彩なオリジナルコンテンツを展開。また、2021年にはゲーミング事業への参入も発表しました。
現在では、Ted SarandosとGreg Petersの共同CEO体制のもと、AIによる個人化や制作支援に注力しつつ、創造性と倫理性、そして視聴者の信頼を保つバランスを重視したプラットフォームとして進化しています。











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