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40年の時を超えた“魂の映画”──『天使のたまご』がカンヌの海を泳ぎ出す

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1985年に公開された伝説のアニメーション映画『天使のたまご』(監督:押井守、キャラクターデザイン:天野喜孝)が、2025年のカンヌ国際映画祭・クラシック部門に正式出品されることが決定した。本作がスクリーンで上映されるのは、実は世界初。公開から40年を経て、ついに国際的な注目の舞台に立つ。

『天使のたまご』は、言葉少なで象徴的な描写が連なり、ストーリーらしいストーリーを持たない静謐な作品。舞台は崩壊した都市、登場人物は名もなき少女と男のみ。ひとつの卵を抱えた少女と、それに興味を示す男のやりとりを通じて、生と死、信仰、記憶といった抽象的テーマを紡いでいく。
監督の押井守はこの作品を「不憫な娘のような作品」と表現。「完成した時には誰にも理解されず、公開時も短期間で消えた。しかし、それでも消えなかった。40年経っても死ななかった」という言葉に、作品に込めた想いと時間が凝縮されている。

カンヌ出品決定!!【天使のたまご】Angel’s Egg video clip

制作当時は、宮崎駿監督の推薦でスタジオジブリ設立前の徳間書店から支援を受けたが、商業的成功には恵まれなかった。それでも熱狂的なファンを世界中に生み出し、アートアニメーションや映像表現の極北として語り継がれてきた。今回のカンヌ上映は、リマスターを含めた完全な4K上映版となり、押井監督自身も現地入り予定という。
この作品が世界の観客にどう受け止められるのか──それは、40年を経た「不憫な娘」にとって、新たな生命の始まりかもしれない。

押井守(おしい まもる)とは?

押井守は1951年生まれの日本のアニメーション監督・映画監督。代表作は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』など。哲学的で抽象的なテーマや、美学的な映像演出に定評があり、世界的にも評価が高い。ジャンルに囚われない作風で、実写映画や小説執筆も手がける。

天野喜孝(あまの よしたか)とは?

天野喜孝は1952年生まれのイラストレーター・キャラクターデザイナー・画家。10代で『タイムボカン』などタツノコプロ作品のキャラデザインを担当し、のちに『ファイナルファンタジー』シリーズのビジュアルを手がけて世界的名声を得る。繊細で幻想的、絵画的なタッチが特徴。『ヴァンパイアハンターD』シリーズの挿絵や、個展でも多くのファンを魅了している。

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