2024年2月、西武渋谷店にて「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」が開催されることが発表されました。本展は、庵野秀明氏が監修を務め、貴重なキャラクター設定画やメカニックデザイン、原画などが公開される特別な展示会です。庵野氏自身が「宇宙戦艦ヤマト」から多大な影響を受けたクリエイターであることから、彼の視点で選び抜かれた資料が並ぶことになります。
「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」とは?
本展は、日本のアニメ史において重要な作品である「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの制作資料を一挙に公開する貴重な機会となっています。特に、1974年に放送された第一作『宇宙戦艦ヤマト』を中心に、シリーズ全体にわたる設定画やストーリーボード、制作メモなどが展示される予定です。これらの資料は、当時のアニメ制作の過程を知る上で非常に貴重なものであり、アニメファンだけでなく、クリエイター志望者にとっても必見の内容となるでしょう。
庵野秀明氏は、自身の作品(『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』など)で見られるように、メカニックデザインや演出面で「ヤマト」の影響を色濃く受けています。彼が監修することで、通常の展示会とは異なり、「庵野秀明の視点から見たヤマト」という独自の切り口で資料が整理・展示されることが期待されます。

開催の経緯:庵野秀明と「宇宙戦艦ヤマト」
庵野秀明氏は、幼少期から『宇宙戦艦ヤマト』に強い影響を受けたと公言しており、彼の作品にもそのエッセンスが見られます。例えば、『エヴァンゲリオン』における戦艦ネルフ本部のデザインや、戦闘時の緊迫した演出、さらに「使徒襲来」といった敵対勢力の構造など、『ヤマト』の影響が随所に反映されています。
また、庵野氏は過去にも「アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)」を通じて、日本のアニメ・特撮資料の保存活動に積極的に関わっており、今回の展示会もその一環と言えるでしょう。彼は、『ヤマト』を生み出した故・松本零士氏や西崎義展氏らの遺した文化遺産を、次世代に継承する重要性を強調しており、本展はその理念のもとで実現したと考えられます。
展示内容と見どころ
本展では、次のような資料が展示される予定です。
- キャラクター設定画
- 主人公・古代進や森雪、沖田艦長などのキャラクターデザイン原案
- 未公開の初期デザイン画
- メカニック設定画
- 宇宙戦艦ヤマト本体のデザイン変遷
- コスモゼロやガミラス艦などのメカニックデザイン
- ストーリーボード・原画
- 実際のアニメ制作で使用されたカットごとの絵コンテ
- 戦闘シーンの演出メモ
- 制作資料・プロダクションノート
- 企画段階のメモや当時の制作現場の記録
- スタッフ間の指示書など
特に、オリジナルの設定画やメカニックデザインは、普段目にすることができない貴重な資料であり、ファンにとっては必見の内容となるでしょう。

今後の展望
「宇宙戦艦ヤマト」は、今もなおリメイク作品が制作され続けるなど、日本のアニメ史において重要な位置を占めています。今回の「全記録展」は、過去の資料を振り返るだけでなく、日本のアニメ文化を未来へとつなぐ試みとも言えます。
また、庵野秀明氏が監修することで、単なる資料展示にとどまらず、現代の視点から再評価される機会ともなるでしょう。庵野氏が「ヤマト」のどの点に注目し、どのような解釈を加えているのかにも注目が集まります。
今回の展示が成功すれば、今後も庵野氏による他のアニメ・特撮作品のアーカイブ展が企画される可能性もあります。過去の名作の貴重な資料を広く公開し、後世に残していくという活動が、日本のアニメ業界全体に良い影響をもたらすことを期待したいところです。
まとめ
「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」は、西武渋谷店にて開催される特別な展示会であり、庵野秀明氏の監修のもと、貴重な資料が公開されます。『ヤマト』の歴史とその影響を深く知ることができる貴重な機会であり、アニメファンやクリエイターにとって見逃せないイベントです。本展を通じて、日本のアニメ文化が次世代へと受け継がれることを願っています。
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